民主主義とは? 住民自治とは? 

 国会の一票の格差をめぐり、最高裁の是正判決が度々出されていますが、地方自治体はどうでしょうか。例えば、議員一人あたりの有権者数は阿賀町708人に対して、新潟市は13,541人(平成6年6月有権者数による)。一票の格差は19倍になります。国と地方を一概に比較することはできませんが、法律条例が議会により制定されることに変わりなく、新潟市民が条例に民意を反映しようとすれば阿賀町の19倍の困難さが伴うという計算になります。

 日本の地方自治は、地方自治体が一方的に公共サービスを提供し、住民は一方的に供給されるという関係性が強く、平成の大合併においても、行政の効率化が優先され、住民自治という観点が欠如していたように思えます。税や徴収金は「取られるもの」という納税者の感覚が未だに色濃い背景の一つと言えるでしょう。

 住民が主権者として、地域の特色を生かした公共サービスの提供者となり、その財源についても責任を持つというのが、地方自治本来の姿です。特定非営利活動法人「新潟税務協会(略称NTA)」は、この理想を実現するために、研修会の開催と支援を通じて地方自治体の問題や課題を解決し、官民を超えたネットワークの構築により住民の地方自治体への関わりを喚起する活動に取り組んでいきます。